「小劇場が燃えていた」小森収(宝島社)

サブタイトルは「80年代芝居狂いノート」。80年代に週刊演劇ニューズレター「初日通信」を発行していた編集長・小森収氏の、80年代小劇場演劇ブーム回想録。「解説」を期待したんだが、回想録だった。で、私が芝居を見始めたのとかなり近いので、とても懐かしい。私が最初に東京で芝居を見たのは80年の遊眠社の駒場小劇場でのもの。その後、芝居の裏方とか役者とかやってて、本格的に見始めたのが82年から。当時は面白いのがいっぱいあった。ぎりぎりでつかこうへい事務所にも間に合ったし、第三舞台も大隈裏から見ることができたし。まあ、小森さんと比べると、かなり感想が違うのも楽しい。一部は同じ衝撃を受けてるが、多くは違う。美加理の印象とか、神戸さんのインパクトとか全然違う。

一部、公演会場が間違ってるのもあるなあ。

しかし、こういう本は貴重だと思う。その意味で、90年代、2000年以降がないのが不満だ。80年代の小劇場ブームはその後、どう変化し、今に至ったのかを解説する本って、ないのかなあ。