山本直樹「夢で逢いましょう」@光文社

エロマンガの巨匠・山本直樹の1992年作品。コミックBEに掲載。単行本には表題の「夢で逢いましょう」と「×つのき駅」「のんきな姉さん」の三作品収録。初版発行は1993年。

エロマンガの巨匠なので、エロエロを期待するが、またしても見事にかわされた。だが、満足度200%。すごいです。

夢で逢いましょう」は、モノやヒトにまったく触れない極度の不潔恐怖症の女と、スカトロ専門のAV男優が、新興住宅地の公園で出会う物語。全5話。女は病気を苦にしている。直したいと、男の協力をあおぐ。が、なんせ男はスカトロなんで・・・。でも、日常は普通の男なので・・・。

ある日、女の父親が住宅街でチカンに間違えられた。が、偶然撮影されていたビデオから、誤解であることが証明される。しかし、その「偶然撮影されていたビデオ」が別の問題を引き起こす。実は偶然ではなく・・・。

強引な展開ですが、なかなかいいです。

のんきな姉さん」はさらに面白い。ストーリーはたいしたことないんですが、なんせ、カットが動的で、マンガでもこんなことができるんだ、という驚きがある。なんつうか、リズムで展開しているの。普通にストーリーが流れるのではなく、カットがすごいリズムで切り替わる。混乱するぐらい。でも、ちゃんとイメージを構築できる。なんなんだ、これは?とか思ったよ。