「イノセンス」@日本映画専門チャンネル(スカパー)

2004年公開の押井守監督作品。2004年のカンヌで「華氏911」に負けた。

知人がゲロつまんなかった、と言っていたので、不安に思いつつ見た。とんでもなかった。素晴らしい。

ので、思わずallcinema onlineの感想も読んでしまった。
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=240800

なんつうか、押井守のアニメ作品を、ストーリーとか台本とかで観てしまう人がかわいそう。そんなの、普通の映画でやることじゃんか。映像とセリフから放たれるあの膨大な情報量を浴びて感動できるか楽しめるか、それだけなのに。

ストーリーは「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」の続編。人間と機械が融合しつつある世界での事件捜査。とにかく映像が素晴らしい。スカパーで放送になったのをVHSに録画して見たので、なんか、悲しくなった。DVD買おうかな。中古で1500円ぐらいになったら買おう。

テレビゲームのムービーパートを延々見せられているようで、チープな印象。という感想があったが、それってチープなのかい? 私は、最高のムービーパートを延々見れることを、なんと贅沢なんだろう、と思ったんですけど。あんなに手間ヒマかかった映像もないもんだろうに。

考えてみると、カンヌでは字幕で見たんだろうなあ。日本語で見ているのでも理解しがたいものを字幕で読まされたら、苦痛でしかないだろうに。というか、セリフのすべてを理解する必要ないんだよね。膨大な情報を浴びて何を感じることができるか、だもの。映像に埋め込まれた情報と同じ感覚。押井守にとっては、映像とセリフは同じ情報(データ)なんじゃないのか。

声優は一流を使ってたけど、でも、もう一つワンランク上の「役者」でやってほしかった。登場しているアニメの登場人物の演技が素晴らしかったので、普通の声優(大塚明夫山寺宏一)の限界を感じたもの。登場人物の仕種とか、ほんと、普通のアニメのレベルを超えてたなあ。ああゆう演技って、どの次元で発想するんだろう。ただ立ち上がるだけなのに、重力を感じるような立ち上がり方って、そこいらのヘボい役者じゃ表現できないわけで・・・。