「その河をこえて、五月」@NHK教育テレビ・芸術劇場(8/14)

2002年に日韓ワールドカップ開催を記念して作られた。作・演出を日韓が共同で行った。日本からは平田オリザが。新国立劇場の企画。2005年に再演されたものの放送。初演時にその年の演劇賞を総なめにした。

台本作りから日韓共同だったとか。メールで日韓がやりとり。当然、コミュニケーションでもつれたとか。台本完成に1年かかったらしい。出演者も日韓の俳優混成。日本からは三田和代小須田康人、佐藤誓など。舞台は韓国ソウル・漢江のほとり。桜の木の下で花見をする日本人たち。在韓国の韓国語学校の生徒たちだ。当然、いろんな職業・立場の人たちがいる。韓国で働く日本人ビジネスマンや、なんの目的だかわからない留学生、奥さん、在日韓国人で韓国代表となっているクレー射撃の選手など。で、韓国語学校の先生(韓国人)がゲストだが、その先生が母親と弟夫婦も呼んだ。母親は日帝時代に日本語教育を受けている。ということで、全く日本語がしゃべれない人、ちょっとだけ日本語がしゃべれる人、ちょっとだけ韓国語がしゃべれる人、などなどが入り乱れて、日本のこと韓国のことを、話す。

さわやかな感動が残る秀作。おりぴー、うまい。こういうさわやかな感動があるから、芝居に金払って見に行ってたわけだよな、と再認識させる。で、こういうさわやかな感動ぐらいしかないので、あまり観に行く気がしなくなったんだよ、とも。わくわくどきどきさせる芝居が、あんまりなくなったから。じょうずだな、いい作品だな、なかなか面白いな、よくできてるな、という作品はよくあるんだけど。

韓国のオモニ役の女優さんが圧倒的に素晴らしい。日本側では佐藤誓。

新国立劇場「その河をこえて、五月」
http://www.nntt.jac.go.jp/season/s262/s262.html