「ヴァイブレータ」@DVD(ツタヤ)

2003年公開の邦画。監督は廣木隆一で、主演が寺島しのぶ。なんか、あっちこっちで高い評価を受けてる印象。どうなんでしょうか。キネ旬ベストテンの2003年邦画3位。ちなみに同じ2003年邦画の2位は寺島しのぶ主演の「赤目四十八瀧心中未遂」。

80年代にピンクを撮ってた廣木隆一で、寺島しのぶのハダカが話題とあれば、当然ヴァイブはあっちのことかと思えば・・・全然そんなことなくて、ダメ人間同士の傷のなめあいを丁寧に描いていた。

コンビニでたまたま出会った二人。男の運転する長距離トラックに同乗して、旅は道連れやりまくり。ちょっと寂しいミソジオンナの、行きずりのロマンス街道。

で、どう展開すんのかと思ったら、なんの展開もなく、三日間走りまくって、コンビニに戻ってきて、さようなら、で終わり。おいおい・・・。

そこいらにいくらでもいる屈折した心情。そのまんま描いている。というか、社会の病巣を、直裁には描かずに、イメージで描いているという・・最近の邦画に多いパターンのような気がする。韓国映画だと、より直接的に描くんだろうが、日本では、そういうのはださいので、イメージ多用、比喩多用で、よくわからない表現にしてしまう。意味ありげな音楽がまた、いやらしい。時々、音楽がジャマくさい。

社会の病巣を、観客に嫌われないように、オブラートに包んで描くのは理解できるけど、それで本質は伝わるのかなあ。新感覚映画なんだろうか・・・。鈍感な観客には、みんな寂しいんだから大丈夫よ、とか映るんじゃないのか。癒しって、ほとんど甘やかしじゃないのか・・。